Q.低域と高域のEQはシェルフよりもベルのほうが良いのでしょうか?(記事翻訳)

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Q.低域と高域のEQはシェルフよりもベルのほうが良いのでしょうか?
40kHzや50kHzのような「エアバンド」をブーストするために広く、超高域のベルブーストを推奨する人がいます。低域でも同じように30Hzまたは50Hz前後の帯域を幅の広い緩やかなブーストで持ち上げることを推奨する人がいます。このようなベルブーストを使用することと、古くからあるハイシェルビングEQを使用することの違いは何ですか?EQカーブが違うのでしょうか?それとも曲線以上の何か重要なことがあるのでしょうか?

質問者:Hazel Caldwell

A.
シェルフEQには通常6dB/Octの傾斜があります。ベルはより急になり、特にQ幅が可変の中心周波数に用いられるようなEQカーブに近くなります。しかし、実際のところほとんどのベルカーブは6dB/Octです。にもかかわらず、人々がベルEQを推奨する理由は、おそらくシェルフEQには1つか2つの選択肢しかない一方で、ベルは周波数を上下に移動させることができる場合が多いためではないかと考えます。また、シェルフカーブでは設定した帯域よりも上、または下の周波数のすべてをブーストしてしまうというふうに広く考えられているというのも一つの理由かもしれません。実際には、EQ全体のバンド幅はEQ以外の残りの回路によって定義されるため、処理できる帯域外の超高域、超低域についてはシェルフを選択したとしても何かしらの形で処理されます。
回答者:Hugh Robjohns SOS誌テクニカルエディター


A.
私は昔であればシェルフを使っていたであろう箇所にベルを時々使うようになりました。最終的にどちらがいいかというのはあなたの感覚次第です。ローエンドに関して述べると、実用性の面で(あるいは私が怠惰なため)ベルを使い始めました。シェルフを使用する場合にはハイパスフィルターを併用したいと思う場合がしばしばあります。一方でベルを使用すると、よほど低域に問題がない限りハイパスは必要ありません。主観的に音を聞いただけでもベルのほうが良いと思うケースもあります。どうしてそう思うのかを考えてみたのですが、広いベルを使用したほうがシェルフとハイパスの組み合わせよりもフェイズシフトを起こしにくいためではないかと想像します。この種のフェイズシフトは状況によっては耳で聞き取れるレベルのものになります。
回答者:Matt Houghton SOS誌レビューエディター