スタジオでのディストーション(記事翻訳)003

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Sine Of The Times
楽器を演奏するよりもプログラミングに興味がある場合は、サイン波のような単純な波形をさまざまなディストーションに通してみるといいでしょう。Boss MT2ギターペダルなどは、ミッドコントロールによってテクスチャが追加され、非常に興味深いサウンドが得られます。

Drum Distortion
通常、激しい歪み、特にクリッピングは避けなければなりませんが、スネアドラムなどの短くて明るい音源にはクリエイティブに使用することがあります。それ以外でそれが許容されるのはおそらく、ギターのチューブスタイルの歪みや、太いシンセベースくらいでしょう。いくつかのロックレコードのアグレッシブなスネアは、アナログミキシングコンソールに過剰に音源を入力し、意図的にクリッピングを引き起こしたものです。同様に、スネアに対してアナログディストーションを少し加えると、サウンドのディケイを強調でき、はっきりしない録音でもリカバーすることができるかもしれません。

Tape Distortion
アナログテープは特に、最大レベルに近づいた場合に微妙な歪みを引き起こします。一部のマスタリングスタジオは、トラックをアナログテープに録音することでトラックにアナログ感を付加した後にデジタルフォーマットに戻します。この手法は特にクラシカルなスタイルのロックで使用されます。マスタリングエンジニアは、高速で動作する高品質のテープマシンを使用して、追加されるノイズを最小限に抑えます。しかし、一般的なカセットテープレコーダーでも同様の効果を得ることができます。テープエミュレーションのプラグインは多く存在しますが、本物のほうがしばしば良い結果を得られるでしょう。

Band Limiting
すべての歪みは、元の音源の倍音構成を複雑にします。結果として、あからさまに歪んだ音がミックスに入る場合、一つ一つのサウンドのためのスペースを確保することが困難になります。ハイパスフィルターとローパスフィルターの両方を使用して、歪んだ信号の帯域を制限し、スペクトルが広域に広がるのを防ぐことで、ミックス内での居場所を確保することができます。

Blending & Phase
トラックの複製、センドエフェクトとしてのディストーションの使用、またはリアンプを使用して、同じトラックの歪んだバージョンと歪んでいないバージョンを一緒にミキシングしている場合、 2つの音源の位相関係を確認する必要があります。そうしないとコームフィルタリングによって音の瑞々しさが失われる可能性があります。トラックの1つに位相回転が可能な機器を使用して、サウンドメッシュを調整するといいでしょう。幸い、最近ではソフトウェア形式のものがかんたんに手に入ります。BetabugsのフリーウェアPhasebugは非常にシンプルにこの処理を施すことができます。VoxengoのPHA979とLittle LabsのIBPのUniversal Audioプラグインはより柔軟に対処できます。また、ほとんどのノンリニアイコライザープラグインは、オーディオの位相変化を引き起こします。そのため、EQを追加または調整する場合は、位相のが一致しているかをを再確認する必要があります。